近年の中小消費者金融の動向(2015年度版)
早いもので2010年6月に改正貸金業法が完全施行されてから5年以上の歳月が経過しました。この間、貸金業者は、統計上では、
- 2010年3月末・・4,057件
- 2015年3月末・・2,011件
と実に、半数以下に減少しています。
この統計からもわかるように、貸金業を廃業した業者も多く、特に、大手と比較しても資金力に乏しい中小規模の業者にとっては、いまだ厳しい状況が続いていると言えます。
しかし、そのような中でも、回復を果たして積極融資に転じている業者や、新たにキャッシング事業を開始した業者も増えてきているのも確かです。
このような、傾向は統計だけでは、読み取ることは出来ません。
今回は、当サイト及び姉妹サイトの独自調査で、2015年の中堅消費者金融のキャッシングを総括しました。
きっと、統計では読み取れない、生のキャッシング業者の傾向がわかると思います。
(2016年3月14日)
積極融資に転じた業者は確実に増加しています
2015年度は新たにインターネットキャッシングに積極参戦した会社の活躍が目立ちました。
かつては、裏技的融資であった、過去、自己破産や債務整理をした方に対する融資も、業界ではほぼ確立されています。
このように、かつては固定概念で否決とされていた属性の方からも選別して融資を行うことが、現在では主流になっています。
この傾向は、今後ますます加速してゆくと思われます。
積極融資業者の中でもサービスは二極化
積極融資を行っている中堅消費者金融の中でも、その経営スタイルは二極化しています。
- 昔ながらの対面融資の流れを受け継いだカウンセリングを重視した保守型
- 大手に倣い、システマティックに合理化を進める革新型
どちらも長所短所がありますが、
①は②に比べて、カウンセリング加算がされやすく、思わぬ高額決裁が出やすい。
①は②に比べて、保証人付融資、担保融資など、顧客の事情に合わせた特別融資も多い。
②は①に比べて、審査のスピードが速い傾向。
②は①に比べて提携ATMなども充実しており、顧客サービスにおいて勝る場合が多い。
といった特徴があります。(大まかに分類しただけで、もちろん会社ごとに特徴は違います。)
当サイトで紹介している上位ランクの中小消費者金融を例にすれば、
といったイメージになります。
ちなみに、アローは、①と②の中間のいった位置づけです。
ヤミ金融、詐欺は減少傾向
もちろん、現在も、ヤミ金融や詐欺などの被害はありますが、全体数としては、減少傾向にあります。
一時期、社会問題化して、行政、業界、弁護士などが対策に乗り出してきたことが、結果として出てきているということでしょう。
今後はペーパレス化の流れ?
現在、キャッシング業界では、大手を中心にペーパレス化の流れにあります。
従来は、インターネットキャッシングであっても契約書類の郵送が必須でしたが、完全にWEB上で契約完結とすることが可能になってきています。
消費者金融の利用をする方は、家族に内緒で利用したいと考えている方が多く、この手法が浸透すれば、かなり利用し易くなると思われます。
また、スマートフォンが普及している現代にマッチしているとも言えます。
中小消費者金融では、このペーパレス化を採用している業者は、今のところなく、実用化にはまだまだ年月を要すると思われますが、今後は業界全体としてこのような流れになってくると予想されます。