何年も放置した借入れを解決したいのですが・・
Q:消費者金融のカードローンの返済をもう何年も放置してしまっています。
今更ながら、解決したいとも考えていますが、いったいいくらになっているのか不安です。
どうしたら良いものでしょうか。
A:過去、放置してしまったことは、様々の事情があったのかと思いますが、そのままにせずに解決しておくべきです。
対応策は状況により様々ありますが、まずは、おおよその負債総額を算出して、そこから対応を考えてもよいと思います。
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遅延損害金を計算する
消費者金融の遅延損害金は、自分でもおおよそ計算することが出来ます。
2010年6月の改正貸金業法によって、消費者金融の上限金利は、年率20%に引き下げられました。
このため、それ以降の借入れであれば、遅延損害金は年率20%を超えることは絶対にありません。
損害金を計算する時は、年率20%で計算しておけば間違いありません。
例えば、残高30万円を、3年間放置していたら、
30万円×20%×3年=18万円
で18万円の損害金が計上されて、元利合計は48万円ほどになっていると予想できます。
(参考記事:利息計算とお得な利用方法について)
このようにまずは放置しておいた借金の負債総額を把握しましょう。
資力に応じて相談先は変わる
遅延損害金を計算して、おおよその負債額がわかれば、次は資力の問題です。
どのくらいの資力があるかで、連絡先や相談先も変わってきます。
①残りの負債額を一括~二回で完済できる資力がある場合
もし、残りの負債額を、一括から二回程度で返済できる資力があるなら、借入れしている消費者金融に直接連絡しても全く問題ありません。
先方の消費者金融が正規登録業者であるなら、利息、損害金以外の金銭を要求されることはないので、連絡して金額確認をして返済してしまいましょう。
②3年以内の分割返済なら可能な場合
現状の負債額を確定金として(上記の場合だと48万円)、3年以内の分割返済ができそうであれば、裁判所の「特定調停」を利用するのも方法です。
特定調停は和解が成立すると、負債額も確定金となり将来の利息が付かなくなります。
また、費用も、弁護士、司法書士に依頼するよりも低く抑えることが可能です。
最近は、ひと昔前に比べて、特定調停を利用する人は減ってしまいましたが、費用が低いことは魅力ですし、おすすめします。
(参考記事:特定調停が流行らない理由)
③3年以上の分割になってしまう場合
現状の負債額を確定金として(上記の場合だと48万円)、3年以内の分割返済ができないのであれば、自分自身で交渉するよりも、弁護士、司法書士など、専門家に相談することをおすすめします。
そのような状況ですと、個人で消費者金融と和解を進めることはなかなか困難になってくるからです。
通常、消費者金融は、長期放置されていた債権を長期分割払いで和解することはありません。
分割払いを条件に、連帯保証人や担保を付けるように求められ、交渉は難航することが予想されます。
なんの準備もなく、消費者金融に連絡をすれば、きっちり「カタにはめられる」ことになってしまいかねません。
5年以上放置は「時効援用」の可能性も
また、放置している期間が5年を経過しているようであれば、「時効の援用」をすることができるかもしれないので慎重な対応が必要になります。
消費者金融からの借入れの時効は、原則、最終返済期日から5年間です。
但し、5年を経過していても、少しの金額でも返済してしまったら、時効は更新(中断)され、またその時点から時効は5年間ということになるのです。
うかつに入金してしまうと時効は更新(中断)されてしまうので注意が必要です。
また、裁判で判決がでてしまっていれば、時効までの期間は、5年ではなく、その時点から10年になります。
これについても、知らない間に訴訟を起こされていて、判決がでてしまっていることもあるので注意が必要です。
通常、裁判を起こされれば、裁判所から「訴状」が送達されるので、自分自身が訴えられていることはわかるはずです。
しかし、中には、
- 本人の知らないところで、家族が勝手に「訴状」の受け取りをしていた
- 「付郵便送達」「公示送達」などで、本人が知らない間に送達されたことになっている
といったケースもあるので油断は出来ません。
このように、時効の判断は素人ではなかなか難しい部分があるので、弁護士、司法書士など専門家に相談する方が無難です。
(参考記事:借金の時効について)