レディースキャッシングを徹底解説
消費者金融には「レディースキャッシング」、「レディースローン」など、女性に特化したローン商品があります。
2010年の改正貸金業法施行以前は、無職、無収入の専業主婦への貸出しも積極的に行われていたので、このような女性専用のレディースローンの商品を設けている会社が多くありました。
しかし、法律改正後は、無職・無収入の人への貸出しは、原則できなくなり、消費者金融でも「レディースキャッシング」を取り扱う会社は減少してしまいました。
そんなレディースキャッシングですが、最近、また採用する会社が増えてきているのはご存知でしょうか。
Contents
レディースキャッシングとは
最初にレディースキャッシングの商品について解説をしていきましょう。
まず覚えておきたいのは、レディースキャッシングと通常のフリーローンの違いは、女性が申込みをしやすくするために「受付け対応を女性が行う」ということだけで、その商品性はほとんど何も変わっていないということです。
もちろん総量規制の適用もあります。
よくレディースキャッシングを取り扱っている会社の中には「専業主婦でも審査可能!」などの広告を出している会社もありますが、全くの無職、無収入の人への貸出は原則、不可能なのでご注意が必要です。
それでもわざわざ別商品としてレディースキャッシングを設けているのは、積極的に女性に融資をしていることをアピールするためだけのことなのです。
なぜイマドキ、レディースキャッシングなのか
現在、消費者金融では総量規制によって、年収の3分の1を超える貸出しが禁止されています。
このため、男性に比べて相対的に収入額が低い女性客への貸出しは、一時期縮小傾向にありました。
しかし次にように観点を変えれば、女性層はかなり魅力的な市場です。
①市場のポテンシャルが高い
大手消費者金融の調査ではキャッシング利用者の男女比率は、概ね、7対3の割合で男性利用者が多く(2017年3月時点調査)、キャッシング市場において女性は「少数派」です。
しかしこれは逆に言えば、まだまだ未開拓の、可能性を秘めたポテンシャルの市場であるということでもあります。
②財布のひもは妻が握っている
ある調査結果では、日本の一般家庭の約65%が、家計のやり繰りは妻が行っているという結果が出ています。
結局、妻は自分自身の収入は少なくとも財布のひもはガッチリと握っているということです。
むしろ妻に財布のひもを握られていて、小遣いで生活している夫の方の支払い能力が疑問だと考えることもできます。
そのため消費者金融からすれば、「総量規制」をクリアさえしていれば、安心して貸出しできる顧客層だとも言えます。
③身内の援助が受けやすい
もし月々の支払いが困難になってきても、女性の場合、実家など身内の援助で、清算するケースも男性に比べて多いと言えます。
もちろん女性蔑視の意図はありませんが、事実としてそのような傾向があります。
④「総量規制」があるので破綻しにくい
現在の法律では総量規制のため、年収の3分の1を超える貸出しは、原則、禁止されています。いくら夫に稼ぎがあっても、パートやアルバイトなど、自分自身の収入額の3分の1以内の金額に制限されます。
逆に言えば、
- 最初に3分1相当の金額を貸出ししてしまえば、それ以上、負債は増加しにくい。
- 本来の支払能力よりもはるかに低い金額の貸出しになるので破綻しにくい。
という、消費者金融側から見ても安全な貸出しだと考えることもできます。
⑤働く女性のために!のカラクリ
いくら法律的に問題がないからと言っても、収入が低い男性に対して、貸出しをすることは、世間的にあまり良いこととされていません。
キャッシングでは、「過剰貸付け」が問題視されることが多く、行政監査でも、「貸し過ぎ」ということは、重要なチェック項目になっています。
逆に、本来、貸せる人に貸していなくても、「どうして貸さないのか」と指摘を受けることはまずありません。
このように、「貸さない親切」という考え方が、行政的には、良い考え方とされています。
しかし、女性に対しては、
「働く女性を応援します!」
「女性のキャッシングを全力サポート!」
といった、大義名分を立てることが出来るので、収入が低い人に貸しても、世間や行政から非難を受けにくいということもあります。
逆に、「世の中の女性に役立っている」ということで、企業の存在意義をアピールすることも出来るというわけです。
女性にはレディースキャッシングがおすすめ
前述したように、レディースキャッシングは、女性事務員が受付けするだけで通常のフリーローンと商品性は何も変わりません。
それでも女性の方が申込みをするなら、レディースキャッシングを取り扱っている消費者金融がおすすめです。
レディースキャッシングを採用している会社が積極的に女性に訴求していることは間違いないからです。
企業としてはわざわざ商品を設けている以上、その貸出しも増やさなければならないものなので多少無理してでも融資してくれる可能性が高くなるということです。
また、専用商品を設けていない会社の審査基準は、多数派である、男性を念頭に作成されたものが多く、レディース専用商品を設けている会社の審査基準は、女性と男性の性別による違いを踏まえて作成されたものが多いということもあります。
イマドキは男女平等の世の中と言われていますが、日本の多くの家庭では、
「男性である夫の収入で生計を立てて、女性である妻の収入はその補助的なもの」
となっていることが多いと思います。
つまり、男性の収入が低い場合はその世帯全体の収入が低い場合が多いのですが、女性の収入が低くても、世帯全体の収入が低いとは限らないということです。
性別を考慮した審査基準の場合は、
「男性がアルバイトという勤務形態の場合はNGだが、女性のアルバイトはOK」
ということになるのです。
無職、無収入が借入れする超裏技!?
消費者金融の広告には「主婦でも申込み可能!」などの文言が掲載されており、誤解を招きやすい宣伝になっていますが、完全に無職、無収入の専業主婦への貸出しは原則できないのは、レディースキャッシングでも同じです。
現在の法律では、完全に無職、無収入の方が借入する方法としては、
- 「おまとめローン」など、総量規制の例外となる方法で借入する。
- 「銀行系カードローン」から借入する。(貸金業法ではなく銀行法の適用となるため)
- 配偶者の同意を得て、二人分の借入れが二人分の年収の3分の1までの範囲で借入れを行う。
しか方法はありません。
要するに、通常のフリーローンを利用することは出来ないということです。
しかし中には、裏技を駆使して無職無収入でも借入れしてしまう人もいます。
それは派遣会社へ登録をしておくことです。
実際、派遣会社へ登録することで、以下のようなメリットがあります。
①申込みの際に、勤務先名に派遣会社の名前を入力できる
現状の消費者金融のキャッシング審査では、勤務先を入力する項目に、「主婦」と入力すると、それ以上の審査をせずに否決となってしまう場合があります。
派遣登録することで、派遣会社を、勤務先に入力することが出来るので、審査を進めることが可能になります。
②勤務実績がなくても審査が通過する可能性がある
現状の消費者金融のキャッシング審査で年収証明書や給料明細などの「収入証明書面」の提出が必要なのは、
- 自社からの貸付けが50万円を超える貸付けを行う場合
- 複数の貸金業者からの貸付合計が100万円を超える貸付けを行う場合
だけです。
これに基づいて、消費者金融会社の中には、50万以内の少額貸出しの場合は、収入証明の提出を不要としている会社も多くあります。
この場合、「総量規制」を算出する年収額は自己申告となります。
また勤務先についても、派遣登録をしてあれば、派遣会社名を申告しても虚偽申告にはあたりませんし、派遣先は都度変更することも多いので、申込み時点では明確な在籍確認が取れない場合もあります。
つまり、収入証明の提出が不要となった場合は、その派遣会社で勤務実績がなくても審査が通過する可能性があるということです。
配偶者貸付はおすすめできない
また先ほど、無収入の専業主婦が借入れする方法として、「配偶者の同意を得て、二人分の借入れが二人分の年収の3分の1までの範囲で借入れを行う」方法があると記しておきましたが、この方法は正直、おすすめできません。
これは一般的に「配偶者貸付」と呼ばれる手法ですが、利用者にも消費者金融業者にも手間がかかる方法なので消費者金融業界ではあまり浸透していないのです。
言い方は悪いのですが、まさに役人が机上の空論で取って付けたような手法なので現実離れしているのです。
そのため実際は、無職無収入の専業主婦の申込みは最初から受付けていない会社がほとんどです。
もし、配偶者の同意が得られるなら、配偶者貸付などまわりくどいことはやめて、最初から配偶者に申込してもらったほうが、シンプルで、借入できる可能性は高まるということは覚えておいて下さい。