銀行からお金を借りる
2種類のローンがある
お金を借りるのに、一番低金利かつ安心な方法は、「銀行から借りる」ことです。
「銀行からお金を借りる」方法は、その目的や希望金額によって、現在、大きく下記2種類に分かれています。
- 目的ローン
(住宅ローン・マイカーローン・リフォームローン・事業性ローンなど) - カードローン
(使途自由のフリーローン)
もともと、銀行が得意としているのは「目的ローン」でした。
但し、2010年6月に施行された改正貸金業法のあおりを受けて消費者金融が衰退したことにより、急激に「カードローン」の需要が増えてきました。
次にそれぞれの商品の特徴を見ていきましょう。
●目的ローン
「目的ローン」とは、その名の通り、お金を借りる目的が明確なローンのことを指します。
先に述べたように、住宅ローン、マイカーローンなど、各銀行によって様々な種類があります。
また、個人だけでなく、法人や個人事業主への融資である「事業性ローン」も目的ローンの一種です。
「目的ローンな」は、資金使途がはっきりしている計画的な借入れです。
そのため無駄遣いや浪費ではないことがほとんどです。
※「目的ローン」の特徴
・借入れ金額が比較的大きい
・提出書類は多く審査は厳しめ
・融資までに時間がかかる
・金利は低い(一般的に年率1.0~4.0%ほど)
・融資を受けた後は、返済するのみで、基本的に枠内追加などはない
●カードローン
対して「カードローン」は、基本的に使途自由で、お金を借りる目的を問いません。
商品としては、消費者金融のフリーローンとなんら違いはありません。
このため、「目的ローン」に比べて、単なる浪費による無計画な借入れが増えがちで、返済能力を超えた借入れ増加による不良債権のリスクも高くなります。
※「カードローン」の特徴
・借入れ金額が比較的小さい
・提出書類が少なく審査がスムーズ
・融資までに時間がかからない
・金利は高い(一般的に年率5.0~18.0%ほど)
・融資を受けた後も、定められた限度額の範囲内で入出金が可能
銀行カードローン誕生秘話
冒頭で述べたように、もともと銀行の融資は、「目的ローン」を主体としたもので、「カードローン」は消費者金融の専門領域で、銀行での取扱いはあまり積極的ではありませんでした。
しかし、2010年6月に施行された改正貸金業法で、総量規制(年収の3分の1を超える貸付け制限)や上限金利の引き下げ(年率20.0%以下)が実施されたことや、「過払い金返還請求」が大流行したことなどによって、消費者金融は大きく収益を損なわれ、廃業や事業縮小を余儀なくされることとなりました。
そのような中、消費者金融に代わる受け皿となって登場したのが、「銀行カードローン」でした。
銀行カードローンは、消費者金融が保証会社になっていて、実質的な審査や回収業務を行っているケースがほとんどです。
銀行ブランドで優良顧客を集客し、フリーローンの審査のノウハウを持っている消費者金融が審査や回収を行う、「コラボ商品」とも言えるでしょう。
銀行も収益性の高いカードローン事業に、より力を入れるようになり、2016年3月にはついに、銀行カードローンの融資残高がついに消費者金融を上回るまでとなりました。
銀行カードローンの過剰融資が問題に
このように、一時期は消費者金融に代わる受け皿として期待されていた、「銀行カードローン」ですが、その後、「過剰融資(貸し過ぎ)」が問題視されるようになり、金融庁から実態調査として「立ち入り検査」が行われるまでになってしまいました。
その結果、各銀行は、
- 収入証明の提出なしで貸付けする金額の上限を引き下げる。
- CMの本数、時間帯を見直す。
- 広告宣伝の表現を制限する。(例「総量規制の対象外」という表現を改める)
など、自主ルールを強化せざる得なくなり、現在、貸付けは自粛傾向です。
このような銀行カードローンの「栄枯盛衰」の流れについては、下記記事に詳しくまとめてあるので参考にして下さい。
(参考記事:銀行カードローンが不良債権増加!中小消費者金融への影響は!)