中小消費者金融の二次審査のポイント
中小消費者金融の二次審査とは生活状況のヒアリングが中心です。
この時点で既に、属性審査や信用情報の調査は通過しているわけなので、よほど回答を間違いさえしなければ、通常、審査は通るはずです。
しかし、最後まで油断は禁物です。
この章で、二次審査の攻略法をしっかりおさえておきましょう。
ヒアリングの攻略法
中小消費者金融の二次審査はおおよそ以下のような内容で構成されています。
- 細かな生活状況についてのヒアリング
- 必要書類の提出
- 在籍確認
中でも特に重要なのは「ヒアリング」なので、この章では、ヒアリングの攻略法を中心に解説していきたいと思います。
●ヒアリングの目的
「ヒアリング」というかしこまった言い方をされると、ちょっと構えてしまうかもしれませんが、要するに目的は「実際に話をしてみて人となりを見る」ということです。
また、申込みフォームの入力だけではうかがい知ることができない、細かな生活状況を確認することで、家計の収支が成り立っているのかおおよその判断をするという目的もあります。
なぜわざわざそのようなことを行っているかと言えば、中小消費者金融の客層は大手に比べ、自己破産や債務整理経験者など「訳あり案件」も多く、不良債権リスクが高いので、可能な範囲でリスクは取り除いておきたいということです。
具体的にはヒアリングで以下のような申込者は排除されることになります。
①いわゆる「クレーマー」気質の人
申込者の中には、いわゆる「クレーマー」と呼ばれる類の人もいます。
日本のサービス業は、「お客様第一主義」をとっている会社が多いので、ともすれば、クレーマー天国といった側面もあります。
しかし、消費者金融業は文化が異なります。
審査担当者が申込者と話をしたなかで、このような雰囲気を感じたら、可決を出すことはまずありません。
②あまりに意気消沈していて暗い人
この種の人もヒアリングをしていると一定数います。
借金の申込みをするのに明るく元気よくというのもおかしいのかもしれませんが、まるで病人のように、あまりに意気消沈して悲観的な人には、審査担当者も、「こんな人に貸して大丈夫だろうか」と考えるようになってしまいます。
③打っても響かない?タイプ
ヒアリングとは、これ以上、他社で、やたら借入れを増やさないように、念押しをする意味も含めています。
そのため、「無計画な利用は破綻を招く」ということを、ある程度の情熱を込めて話をしてくることがあります。
それなのに、なにを言っても「はあ~」とか「よくわかりません」とか「なんとなく」とかいった、あいまいな返答しかしない、打っても響かないタイプも嫌われます。
逆に好かれるタイプは、嫌われるタイプの真逆と考えてもらえば結構です。
具体的には、
- ある程度の常識がある人、なめた態度を取らない人
- 覇気がある人
- 忠告や説教?を素直に聞く人
というところです。
●ヒアリングは高額融資のチャンスでもある
ヒアリングは悪いことばかりではありません。
これは申込者にとっても、業者と直接対話できる唯一の機会となるので、審査に有利となるポイントをアピールするチャンスということも言えます。
審査に有利になるポイントとは、たとえば以下のような内容のことです。
- 本人はパート収入だが、夫が公務員や大企業に勤めている
- 本人は年齢も若くアルバイトだが、親が公務員や大企業勤務している
- 不動産など資産がある
建前では、このような本人の収入以外からの回収をあてにした貸付は認められていませんが、このような後ろ盾があることが判明すれば審査に大きく影響を与えることになります。
もちろんこれ以外にも、アピールするポイントは、それぞれ違ってくると思いますが、重要なのは「万が一の場合の清算根拠を示す」ということです。
また審査担当者も人間なので、ヒアリングをした相手のことを、好感が持てると感じることもあれば、「なんだか気に入らない奴だな」と嫌悪感を持ってしまうこともあります。
好感を持った人は、なるべく審査を通してあげたいし、嫌悪感をもった人は、なるべく否決にしてやろうと思うのは人情です。
ヒアリングで審査担当者を味方につけることが出来れば、こんな心強いことはありません。 実際、通るか通らないか微妙な案件が、ヒアリング担当者のひと押しで、可決に転がることは多々あります。
何も、必要以上に媚を売る必要はありませんが、少なくとも、相手が不快に感じるような、態度はとらないようにして、嫌われないようにすることはとても重要です。
審査担当者との波長の問題もありますが、「真面目でしっかりしている」と気に入ってもらえれば、思わぬ高額融資が出ることもあるので丁寧に対応して下さい。
●ヒアリングのコツ
中心消費者金融のヒアリングで確認される内容は、各申込者の状況によって様々です。
また、質問に対する回答に関しても、嘘を回答するべきではないので、特に正解の回答というものがあるわけではありません。
ただし、ヒアリングに対してコツのようなものはあります。
実際のヒアリングでは概ね以下のようなことがポイントになってきます。
①下手な嘘はつかない
消費者金融は、指定信用情報機関に照会を行うことで、申込者の借入件数、借入額、他社の支払い状況などの情報を把握しています。
また、収入面についても、源泉徴収票や給料明細などの提出を求めたり、勤務先での在籍確認をしたりする会社が多くあります。
このため、これらのことで、下手な嘘をついてもすぐバレてしまいます。
嘘の申告は信用の失墜につながり、可決への道は遠くことになります。
②無礼に感じることもあるかもしれませんが
消費者金融のヒアリングは担当者によっては、かなり根掘り葉掘り聞いてくる場合もあるので、無礼に感じる人もいると思います。
もちろん、その担当者にも悪意はなく、逆に、出来る限り審査を可決としたいという一心でヒアリングを行っています。
また時には感じの悪い質問をされることもあります。
たとえば、
「なぜ、そんなに借入れを増やすのですか?」
といった類の質問です。
このような質問は、借入れ申込みをすること自体が悪いことで、それを非難しているようにも聞こえます。
「そんなのこっちの勝手だし、そもそもお金を貸すのが仕事の消費者金融が言うのはおかしいんじゃないの!」
「そもそも、そっちが申込み下さいって、広告を出しているから申込みしてんだけど・・」
というのが本音かもしれませんが、それを言っちゃあおしまいです。
ここは素直に、
「自分の感覚が甘くて借入れを増やし過ぎたことは反省しているが、これを最後に今後は、なるべく減らしてゆく方向で考えています。」
といった内容のことを回答しておきましょう。
消費者金融も可決の見込みが全くない人に、わざわざ時間をかけてヒアリングを行うようなことはしません。
このことを踏まえて、担当者の質問には、いろいろ聞かれても、誠意をもって、できる限り丁寧に回答するよう心掛けて下さい。
③常識的な回答を心掛ける
先ほど、下手な嘘はつかないように説明しましたが、いわゆる「大人の対応」が必要なこともあります。たとえば、融資の使用目的を聞かれた場合、「ギャンブル」、「引越し費用」、「他社での借金の分割金返済のため」といった理由はNGワードです。
仮に、今回のキャッシングの使途を、本当はパチンコなどのギャンブルや風俗などの娯楽に使いたいと思っていても、そのまま正直に言ってしまえば、まず審査は通りません。
何も立派な資金使途を言う必要はありませんが、問われた場合、常識的な資金使途を話す必要があります。
「冠婚葬祭費」、「教育費」、「実家への帰省費」あたりが無難です。
④強い返済意志があることを伝える
申込者の中には、自ら申込みをしてきているのに、返済を行ってゆくことに自信がなさそうなネガティブな話をしてくる人もいます。
これはある意味、正直な人かもしれませんが、そのような方に融資をする消費者金融側はもっと不安になります。
「返済は必ず大丈夫です」といった強い意志が伝わらないと審査は通りません。
これは何も難しく考えることはなく、返済に対する責任意識のようなものが伝われば十分です。
親族情報は伝えてもいいのか
中小消費者金融のヒアリングでは、場合によっては、自身の生活状況についてだけでなく、実家や別居親族など、かなりプライベートなことについてまで確認されることがあります。
こんな時、素直に回答してよいものかと、躊躇してしまう方が多いと思います。
特に中小消費者金融に慣れていない人は、こんなことまで確認されるのかと、引いてしまう人もいるようです。
●親族情報を確認する目的
消費者金融が親族情報を確認するのは、融資対象者全員ではなく、「独身一人暮らし」など、同居家族がいない場合に限定されていることがほとんどです。
一人暮らしの人は、家族と同居している人に比べて、転居する可能性が高いと言われています。
転居先がわからず、携帯電話も止まってしまえば、全く連絡は取れなくなってしまいます。 そんな時の担保として、実家や別居親族の連絡先をおさえておくというわけです。
しかし、消費者金融が、実際に、それら親族に連絡することは、最近はほとんどありません。
ひと昔前は、実家などに電話して、代払い交渉をするような消費者金融もありましたが、最近は、そのようなことも少なくなったようです。
そもそも契約者以外の人に請求をすることは出来ませんし、借入れしている事実を勝手に話すことも問題行為となるからです。
そのような中でも、実家や別居親族の連絡先をおさえておくのは、
「実家の連絡先まで伝えているし、連絡もせず返済を放置しておくのは、まずいな」
と、お客に牽制をかけておくためです。
●申告拒否も可能だが
そもそも実家や別居親族の情報を確認することは、監督官庁や日本貸金業協会でも、推奨していることではありません。
審査に不必要な個人情報と捉えられかねないからです。
よってこれらの情報収集は、あくまで「任意」で確認したというスタイルになります。 このためもちろん拒否することも可能です。
しかし、露骨に拒否するのは、先方への印象がよくありませんし、審査では、マイナスポイントになります。
消費者金融は、断ろうと思えば、いくらでも理由をつけて断ることは可能です。
本気で可決を狙うのであれば申告しておいた方が無難です。
また、消費者金融に実家や別居親族の情報をわざわざ申告するのは抵抗があるのかもしれませんが、先方が本気で調査しようと思えば、実は、実家を探すことは、それほど難しくありません。
たとえば、住民票を遡って申請してゆくことも方法です。
これまで、徴収した本人確認書類や指定信用情報機関の情報などにもヒントがあることが多くあります。
それでも、尚且つ、直接申告を求めるのは、前述したように、やはり、牽制の意味が大きいのでしょう。
このため、あまり申告を拒否することにこだわっても、仕方がないように思われます。
●利用は信頼ある正規登録業者から
このように、中小消費者金融から融資を受ける際は、実家や別居親族など、かなりプライベートなことまで踏み込まれる可能性があります。
また、申告していなくても、実家などは比較的簡単に探すことが出来るので、悪質業者に申込みをすると、トラブルになりかねません。
キャッシングは、そもそも信頼おける正規登録業者から利用すべきです。
必要書類の提出は早めに
必要書類については、出来る限り早めに提出することです。
この提出がかなり遅れることによって否決(キャンセル扱い)となってしまう方もいるからです。
そのため、申込みをする前に、免許証、保険証などの本人確認書類や、源泉徴収票や給料明細(直近2カ月分)などの収入証明書類は、用意しておいた方がよいでしょう。
(参考記事:消費者金融の審査を通すワンポイントアドバイス)
在籍確認について
消費者金融を利用する際に気がかりなことのひとつとして、「在籍確認」があります。
通常在籍確認は、
・自宅固定電話
・勤務先電話
での確認が必要となります。
しかし、最近では、自宅に固定電話が無く、携帯電話しかないという方も多いので、自宅固定電話での確認ができないケースも増えてきています。
また、自宅固定電話での在籍確認に関しては、電話が繋がっているかの確認としてコールすればOKとしている消費者金融も多くなってきています。
ただし、勤務先での在籍確認は、いまだに多くの消費者金融が必須としています。
そのため勤務先で在籍確認を取られることで、
「勤務先に消費者金融に申し込みをした事がバレてしまうのではないか」
ということを心配している人も多いのではないでしょうか。
●在籍確認は社名ではなく個人名が一般的
通常、消費者金融の在籍確認では、社名を名乗って電話をしてくることはありません。
担当の個人名で、
「○○と申しますが、△△さんはいらっしゃいますか?」
と電話してくることが一般的です。
個人名で電話をされるとかえって不自然になってしまう職場の場合は、消費者金融の担当に相談してみてください。
個人名でなくて保険会社を装うなど柔軟な対応をしてくれる会社が多いと思われます。
●在籍確認は直接電話に出なくてよいか
営業や外回り、または現場仕事など、勤務先で直接電話に出ることが不可能な職種もあります。
そのような場合は電話にでた人が、
「席をはずしています」
「現場にいますから事務所には居ません」
などの対応でOKとすることが一般的です。
●どうしても在籍確認が不可能な場合
派遣会社や、大規模な会社の場合は、「個人情報の観点で、回答は一切できません」と、一般電話の取り次ぎ及び在籍確認に対応していない会社もあります。
このような場合は「給料明細書」「在籍証明」などの提出などで代替えをすることになります。
また派遣会社であれば、派遣先の会社で在籍確認をとることでも対応している業者もあります。
●在籍確認の条件は実は様々
在籍確認は、消費者金融側からすれば、申込者が本当に勤務していて安定した収入があるのか確認する作業です。
全ての申込者が、直接電話口に出て在籍がとれれば、問題ないのですが、それが出来ない場合、どこまで容認するのかは、各消費者金融によって様々です。
最終的には先方の決裁者の判断ということです。
もし、どうしても会社の事情で在籍確認が普通にできない場合は、消費者金融の担当に相談してみましょう。
貴方の状態にあった、できる範囲での容認をしてもらえるはずです。