延滞していても審査が通るケースがある!
消費者金融の審査で「他社延滞中」は原則、審査には通りません。
しかし、中には、ごく稀なケースですが延滞中でも審査に通ってしまう人もいます。
それはいったいどんな場合なのでしょうか。
今回は、延滞していても借入れ出来てしまうケースについて、解説していきます。
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現在他社延滞中でも可決になるケース
冒頭で述べたように、申込み時点で、他社の返済が滞っている場合は、ほとんどの場合、審査は通りません。
しかし、以下のような場合は審査に通過する可能性はあります。
①返済困難が原因の延滞でないと判断された場合
これまでの返済状況や、他の業者への支払い状況から見て、返済困難に陥っていないと判断された場合は、延滞していても可決になる可能性があります。
具体的には、1社だけ2~3日遅れているが、他の業者は全て返済が住んでいるなどの状態が考えられます。
また、毎回、規則的に延滞している(例えば、必ず毎月3日間遅れるなど)など、延滞の仕方に法則性があれば、単に、返済期日を間違えているだけで、返済能力に支障はないと判断されることもあります。
②残金が少額の場合
何十万円単位で借入れをしている他社の支払いはきちんとできているが、残金が1万円程度の借入れが未払いで延滞しているようなケースは、単に忘れていたり、業者からの請求漏れだったりする可能性もあるので、可決になることがあります。
③ショッピングローンの延滞
キャッシングの審査では、クレジットカードなど買い物のローン(ショッピングローン)の延滞については甘い傾向があります。
ショッピングローンの場合、返済方法は口座振替が多く、督促も緩やかなので、1カ月程度、返済がずれ込むことはザラにあります。
また指定信用情報機関への更新報告も、キャッシングが日次報告(毎日報告)なのに対して、ショッピングは月次報告(1カ月に1回報告)なので、そもそも現在、延滞しているかどうかをリアルタイムで把握しにくいということもあります。
そして、ショッピングの「延滞」の中でも、特に甘いのは、携帯電話のローンです。
携帯電話のローンについては、かなりの長期延滞があっても、審査を通過させる担当者は多くいます。
④5年以上経過した延滞
逆説的な言い方ですが、延滞の状態で審査通過を目指すなら、いっそ極端な長期延滞の方が審査に通過する可能性は高まります。
消費者金融からの借金は、最終返済期日から5年以上経過していれば、時効援用することで消滅させることが可能です。
(訴訟などを起こされて、判決が出ている場合は、時効まで判決から10年になります。)
つまり5年もしくは10年以上未払いの借入れがあっても、支払いをしなくてよくなる可能性が高いということです。
このような観点から、時効援用が検討できるような長期延滞債権であれば、審査を通過させる担当者もいます。
信用情報で過去12回分の延滞状況がわかる
延滞に関する情報は、指定信用情報機関に登録されている信用情報を確認することで判明します。
ちなみに、多くの消費者金融が審査で利用している、指定信用情報機関の、㈱日本信用情報機構(通称:JICC)では、現時点での延滞だけでなく、過去12回分の延滞日数が登録されています。
具体的には、「この申込者は2カ月前に、この会社への返済を8日間延滞している」とか「4カ月前に、35日延滞している」ということまで登録されているということです。
仮に、現時点の返済がどこも滞っていなくても、過去12回の返済状況が、滞りぎみであれば、否決となってしまう可能性が高くなります。
そしてこのような過去の延滞をどの程度、容認するのかは、ある程度、審査担当者の裁量に委ねられているのです。
様々なケースが想定されるため明確な基準は設けにくいということでしょう。
毎回、10日以上、全ての借り入れを滞納しているような場合は、否決の可能性が高くなりますが、
「たまたま1社だけ、3カ月前に、10日延滞していたが、他社の返済は全て問題がない」 とか
「3日程度の延滞が毎回あるが、全て返済は完了している」
といった状況であれば、前述したように、返済困難が原因の延滞でないと判断され、即、否決とはならないでしょう。
延滞事故情報には要注意
延滞も長期間続くと、信用情報に、いわゆる「事故情報」が登録されてしまいます。
そして一旦、事故情報が登録されると、それ以後かなり長期間、信用情報に傷が残ることになるので要注意です。
具体的には、延滞が3カ月以上続いてしまった場合、JICCには「延滞(コード21)」という事故情報が登録されます。
これは、延滞を解消すれば「延滞解消(コード22)」に登録が変わりますが、一旦、この情報が掲載されると契約終了しても5年間はコード22の情報は掲載されたままなのです。
※ただし2019年9月30日以前の契約は、延滞解消日から1年を超えない期間でコード22は抹消されます。
この延滞事故情報が掲載されている場合は、残念ながらキャッシングの審査はほとんど通過しません。
少なくとも、延滞解消後1年間は、返済を遅れないようにして、クレジットヒストリーを作り直す必要があるでしょう。
しかし、「延滞事故情報(コード21)」が発生していて未解決であっても、前述したように、5年、10年前に返済を延滞したままで、時効の援用が検討出来る場合は、可決となる可能性もあります。
遅れるなら一部でも入金した方がよい
このように特殊な状況に限り、延滞していても審査が通ることはあります。
しかし、これはあくまで審査の例外対応で、基本的には延滞している場合、審査はなかなか通りません。
またこの例外対応の幅も、各消費者金融の審査担当者によっても異なっています。
(中には「延滞」は絶対に審査を通過させないという考えの担当者もいます。)
正確に統計をとったわけではありませんが、筆者の経験では、わざわざ「延滞」を拾う審査担当者は全体の3割もいませんでした。
消費者金融にとってもそれだけ「延滞」への融資はリスクが高いということです。
そのため原則、延滞はすべきではありません。
それでもどうしてもやむを得ない場合は、毎月の指定金額に足りない金額であっても、とりあえず期日までに一部でも返済しておくことをおすすめします。
指定信用情報機関のJICCでは、支払い金額が毎月の指定金額に足りているかどうかまで詳しく登録はされません。
そして、多くの中小消費者金融が、指定金額に足りていなくても利息分以上の入金があれば、次回支払い期日を更新させています。
そのため、指定金額に足りなくても、利息分以上の入金があれば、JICCでは「延滞」したという情報は登録されないのです。
(但し、CICでは、満額入金であったか、一部入金であったかが登録されるので、CICに加盟している会社には、一部入金しかなかったことは判明してしまいます。)
期日に遅れて満額支払うよりも、利息分を期日内に返済して残り分は後から返済する方が、信用情報に傷がつかない返済方法だということは覚えておいた方がよいでしょう。