「属性審査」のポイントとは
消費者金融の審査では、お客の個人情報を基に様々な「属性審査」が行われています。
この属性審査いかんでは、たとえ、年収が高くても否決になってしまうケースもあります。
ではどのような属性が高く評価され、またどのような属性が低く評価されるのでしょうか。
ここでは、キャッシング審査における属性審査の評価について、詳しく解説していきます。
また、属性審査で高評価を得るためのポイントもお伝えしていきたいと思います。
Contents
本人情報について
●結婚、同居家族の有無
既婚者と独身者はどちらが審査で優遇されるでしょうか。
普通に考えて、自由になるお金が多いのは独身者ですから、返済能力は独身者の方が高い気もします。
しかし、転居や転職をしにくく、安定しているのは、やはり家庭のある既婚者なので、消費者金融の審査では既婚者が有利になります。
また、独身の人でも同様の理由から同居家族がいる方が、一人暮らしよりも評価は高くなります。
ちなみに評価の高い順に並べると以下のようになります。
- 既婚者で同居家族アリ
- 既婚者で同居家族ナシ
- 独身者で同居家族アリ
- 独身者で同居家族ナシ
特に、独身一人暮らしは、統計的にも所在不明になってしまう可能性が高く、キャッシング審査の評価はどうしても低くなってしまいます。
そのような属性の方は、より確実に審査を通すために、自ら実家などを連絡先として提示するのもアリです。
ひと昔前の消費者金融の審査では、身内に関する情報なども根掘り葉掘り確認する会社が多く存在しました。
しかし、最近は個人情報保護の観点からも申込者本人以外の情報を不用意に確認しにくくなっています。
そのため申込者の方から自主的に、実家など親族の連絡先を申し出れば、先方にはかなり安心感を与えることができます。
これは、天涯孤独ではなく身元がしっかりしているということを伝えることに意味があります。
但し、そのような情報をいきなり、申込みフォームに入力することは、感心できません。
よって備考欄などに「独り暮らしですが、連絡先として実家の連絡先も提示可能です。」と入力しておくくらいでよいでしょう。
借入れのことが内緒であれば、実際に提示する段階でそのことを相談すればよいでしょう。
中小消費者金融でも安全性の高い会社を利用すれば、提示したからといってそちらにやたら電話が入ることはありませんし、もちろん請求がいくことはありません。
●年齢
これも「安定性重視」という理由から、年齢に関しても、20代前半よりも30代~40代の方が審査に有利になると考えられます。
但し、60代以降は、定年退職などによる収入減も考慮されるので、また評価は低くなっていきます。
自宅情報について
●居住年数
前述したように、消費者金融の審査では「安定性」が重視されるので、居住年数は重要なポイントです。
これはもちろん長い方が評価されます。
消費者金融によっては、「居住年数が〇年以上(カ月以上)なければ否決」と足切り基準を設け、それに満たない場合、それ以上の審査に進まないようにしている会社もあります。
安心して審査を通すには、少なくとも1年以上は欲しいところです。
但し、例えば、以下のような事情があれば居住年数が短くても例外的に審査が通ることもあります。
- 転勤や単身赴任などの事情で居住年数が短い場合(勤続が安定していればOK)
- 一人暮らししていたが、実家に戻ってきた場合
もし、このような例外を主張して、審査継続させるのであれば、足切りされないように、居住年数は、一旦、例外分を含め長めの年数を入力して申込みをすることをおすすめします。
細かな事情については、後ほど審査担当に説明をすれば問題ありません。
まずは、審査が継続することを優先しましょう。
●住居種別
消費者金融の審査では、単純に「持家」の方が、「賃貸」に比べて評価は高くなります。
消費者金融にはいまだに「持家信仰」が根強く残っているからです。
もっとわかりやすく言えば、消費者金融の決裁者は「不動産好き」なのです。
これは、
- 持家の人は転居して所在不明になりにくい
- 住宅ローンの審査に通っていることが信用できる
- 持家の人は自己破産しにくい
といった考えからきています。
(現実は、持家の場合、住宅ローンの支払いが残っている人が多いので、借家の方が、経済的に余力がある場合も多くあるのですが・・)
但し、借家だからといって借入できなくなるわけではありません。
この「住居種別」の審査は、どちらかというと、審査の可否の判断ではなく、利用限度額の高低の判断材料になっています。
このように不動産好きな消費者金融の性質を考慮して、自分名義の持家でなくとも、もし、田畑、山林、家族名義の不動産などがあれば、是非ともアピールすべきです。
そのことが審査で有利に働くことはあっても不利になることは、ありません。
(申込フォームの「備考欄」などに入力しておくと良いでしょう。)
●自宅固定電話の有無
最近は、携帯電話の普及に伴い、自宅の固定電話を設置していない家庭も多いと思います。
しかし、消費者金融の借入審査では、「自宅の固定電話の有無」はいまだに重要視されています。
もちろん固定電話が無く携帯電話のみでも借入は可能ですが、固定電話の設置があると、より信頼度はUPするという意味です。
- 固定電話有=地元に根付いて生活している
- 固定電話無=地元に根付いて生活していない
というイメージだからでしょう。
しかし、せっかく自宅に固定電話があるにもかかわらず、審査の際に固定電話を申告しない人も多くいます。
なんとなく警戒してということだと思いますが、より確実に審査の通過を目指すなら、自宅の電話番号は是非申告するべきです。
正規登録の消費者金融は、個人情報の取り扱いには細心の注意を支払っていますし、社名を名乗って、自宅に電話をかけてくることもありません。
また多くの中小消費者金融が利用している指定信用情報機関の、㈱日本信用情報機構(通称:JICC)の提供するサービスには、「電話番号検索サービス(CRDB)」もあり、電話番号から住所検索や過去1年ほどの電話の開通状況も判明しますので、くれぐれも嘘の電話番号を申告しないよう注意してください。
勤務先情報について
●勤続年数
勤続年数は、もちろん長い方が評価は高くなります。
確実に審査を通すのであれば1年以上は欲しいところです。また、少なくとも半年ほどの勤続がなければ、審査にはなかなか通りません。
これも居住年数同様に、消費者金融によっては、「勤続年数が〇年以上(カ月以上)なければ否決」と足切り基準を設け、それに満たない場合、それ以上の審査に進まないようにしている会社もあります。
但し、例えば、以下のような事情があれば勤続年数が短くても例外的に審査が通ることもあります。
- グループ会社に出向している場合
- パート、アルバイトだったのが、正社員になった等、雇用形態が変化した場合
もし、このような例外を主張して、審査継続させるのであれば、足切りされないように、勤続年数は、一旦、例外分を含め長めの年数を入力して申込みをすることをおすすめします。
細かな事情については、後ほど審査担当に説明をすれば問題ありません。
まずは、審査が継続することを優先しましょう。
●年収額
申込みがあった際、審査担当者がまず確認する項目は「年収額」でしょう。
もちろん、年収額は高い方が高評価なのは言うまでもありません。
キャッシング審査で、申込者を年収額で大まかに分類すると以下のようなイメージです。
- 年収200万円未満・・超低所得層
- 年収200万以上400万円未満・・低所得層
- 年収400万円以上~700万円未満・・中流層
- 年収700万円以上・・高所得層
①の超低所得層は、いくら総量規制の範囲内であっても可決となる可能性はかなり低くなります。(夫に収入がある既婚女性は除く)
②の層は中小消費者金融の申込者で一番多い層です。
この層は高額な与信は出にくいのですが、10万円から20万円ほどの可決がよく出る層になります。
③の層は、多少負債が多くても、総量規制の範囲内であれば可決の可能性は大です。
④の年収700万円以上の層は、文句なしの高所得者で、いわゆる「良客」の部類です。
このように、キャッシング審査では年収額に応じて、歴然とした「カースト制度」があります。
しかし、年収が高い人がキャッシング審査で否決となって、低い人が可決になるようなケースも実は、かなり多くあります。
年収額が高い人は、大手や銀行の審査も通りやすいので、既に複数の金融会社や銀行から借り入れがある場合が多く、多重債務で負債過多の状態が多いからです。
特に、近年の銀行系カードローンの過剰融資によって、「良客」が多重債務者になってしまっていることも珍しくありません。
逆に、年収が低い人は、同業他社があまり融資していないことも多く、少額ながら融資可能と判断されるケースも多いのです。
●雇用形態
消費者金融の審査では、「雇用形態」においても、「カースト制」を敷いています。
大まかにまとめると以下のようなイメージです。
※雇用形態評価の高い順
- 公務員
- 大企業(正社員)
- 中小企業(正社員)
- 零細企業(正社員)
- 非正規雇用(派遣、パート等)
- 自営業
- アルバイト
特に「公務員」はキャッシング審査では格段に優遇されます。
公務員は、
- 倒産しない
- 年功序列で給料が上がる
- 離職率が低い
- 高額な退職金が見込める
と、「安定性」を重視する消費者金融にとって、最高の顧客になり得ます。
そのため、公務員であれば、他の条件が多少悪くても、借入れ出来る可能性は大です。
また、公務員でなくても、サラリーマンで安定していれば、多少収入が低くても優遇されます。
非正規雇用の方も、かつては消費者金融の審査では、減点対象でしたが、イマドキはそのことだけを理由に否決になることはありません。
事実、消費者金融の顧客における非正規雇用者の割合は、年々、増加傾向にあります。
それに対して、自営業者は、いくら収入が高くても、なかなか評価してもらえません。
極端な話、自営業者で年収1千万円の方よりも、サラリーマンで年収300万円の方が審査では優遇されるのです。
※注意
よく、「自営業者への貸出しは総量規制(年収の3分の1の貸出制限)の適用を受けない」と誤解されていることもありますが、厳密に言えば、この表現は正しくありません。
個人事業主に対する貸付も、原則、総量規制の対象となり、年収の3分の1を超える貸付は禁止されています。
ただし、個人事業主の借入総額が年収の3分の1を超えていても、借り手の事業実績や事業計画に基づいて借入総額の返済が合理的に見込まれる場合等、明らかに返済能力があると認められる場合に例外的に貸出が認められています。
具体的には、
・事業計画書
・収支計画書
・資金計画書
の三計画書によって判断されることになります。
個人事業主も使途自由のフリーローンの場合は、もちろん、総量規制の適用を受けることになることは、覚えておきましょう。
●職種
※「営業職」より「事務職」が優遇される
一般的に「営業職」は離職率が高いため(仕事が長く続かない方が多い)、キャッシングの審査では、「事務職」のほうが優遇されます。
特に生命保険関係の評価は高くありません。
しかし、「営業職」でも3年以上の勤続があれば、評価が低くなることはないでしょう。
※「現場」よりも「内勤」が優遇される
現場職は、勤務の形態上、直行直帰が多く、なかなか連絡がとれません。
建築関係ならまだ、連絡手段は完全になくなることはありませんが、遠洋漁業の方などは、数か月単位で連絡が途絶える場合もありえます。
※風俗・水商売の評価はかなり低い
風俗・水商売は、収入がいくら高くても、キャッシング審査の評価は低くなります。またパチンコ店勤務なども評価は低くなってしまいます。
※意外に不人気な職業とは
消費者金融の審査で意外に不人気なのは、いわゆる「士業」です。
「士業」というのは、「~士」という名称の専門資格を持った職業のことです。
例えば、
・弁護士
・司法書士
・行政書士
などが挙げられます。
これらの職業の人は、一般的に、社会正義を掲げた「聖職」として尊敬の対象となっています。(そのため、「先生」という敬称を用います。)
また、収入も社会的地位も高いので、本来、消費者金融にとっても超優良顧客となるはずです。
しかし、この士業は意外に業界からは人気がありません。
その理由としては、
「下手に知識があるので、トラブルになった際に面倒」という印象があるからでしょう。
お金の貸し借りというのはトラブルとなる可能性の高い取引です。
まして、このような職業の人はプライドの高い人が多いので、消費者金融からの督促など我慢ならないことでしょう。
そのため、ささいな行動や言葉尻の揚げ足を取られトラブルになる可能性も高いという印象があるのでしょう。
まあ実際は、ここまで大袈裟な話ではないと思いますが、「士業」には、消費者金融の審査担当が尻込みしてしまうことはあると思います。
審査に通りにくい属性でもあきらめない!
ここまで、属性の評価について解説してきましたが、仮に、審査に通りにくい属性であってもあきらめる必要はありません。
最終的な審査は、様々な属性を綜合的に見て判断されるからです。
たとえば、
- 独身で一人暮らしであっても、居住勤続年数が長い。
- 自営業者でも、確定申告など適正に行っている。配偶者が正社員で勤務している。
など、他の条件次第では、高額な決裁がでる場合もあります。
また、自分自身の属性の客観的評価を知ることで、評価が低い面だけでなく、アピールすべきポイントもわかるはずです。
属性に自信がない人は、アピールできるポイントを、申込みフォームの「備考欄」などに入力しておくことも重要です。