JICCのブラック情報を徹底解説
ここでは消費者金融における「ブラック情報」について整理しています。
そもそもブラックとはどういう状態のことを指すのか、また、ブラック情報はどのくらいの期間残っているかなどを、「指定信用情報機関JICC」の登録定義の観点から詳しく解説しています。
Contents
ブラック情報の定義とは
まず、覚えておいて欲しいことは、「ブラック情報」という言葉は世間一般ではよく使われていますが、金融業界の正式用語でもなければ法律用語でもありません。
そのため正式な言葉の定義というものもなく、人それぞれの解釈で異なった使われ方をしていることがあるということです。
それでもあえて「ブラック」の定義を定めるとするならば、
「指定信用情報機関に事故情報が登録されている状態」
ということでしょう。
キャッシングの指定信用情報機関には、㈱日本信用情報機構(通称:JICC)と㈱シー・アイ・シー(通称:CIC)がありますが、ここでは多くの中小消費者金融が加盟しているJICCを例にして説明していきます。
ブラック情報の種類と登録期間
JICCの事故情報には、返済の延滞状況を表す「異動情報」と、法的手続き等の事由が発生したことを表す「参考情報」があります。
そしてそれぞれの定義と登録期間は以下の通りです。
≪異動情報≫
「延滞」・「元金延滞」・「利息延滞」
●定義:入金予定日から3カ月以上入金されていない情報
●登録期間:延滞継続中
「延滞解消」
●定義:「延滞」であったものが、入金などがされて「延滞」ではなくなった情報
●登録期間:契約終了後5年以内
※ただし2019年9月30日以前の契約は、延滞解消日から1年を超えない期間で情報は抹消される。
≪参考情報≫
「債権回収」
●定義:借入れ先が強制執行や支払督促などの法的手続きをとった情報
●登録期間:契約終了後5年以内
※ただし2019年9月30日以前の契約は、発生日から5年を超えない期間で情報は抹消される。
「破産申立」
●定義:自己破産など破産申立てをした情報
●登録期間:契約終了後5年以内
※ただし2019年9月30日以前の契約は、発生日から5年を超えない期間で情報は抹消される。
「特定調停」
●定義:特定調停の申立てをした情報
●登録期間:契約終了後5年以内
※ただし2019年9月30日以前の契約は、発生日から5年を超えない期間で情報は抹消される。
「民事再生」
●定義:民事再生の申立てをした情報
●登録期間:契約終了後5年以内
※ただし2019年9月30日以前の契約は、発生日から5年を超えない期間で情報は抹消される。
このように一旦、ブラック情報(事故情報)が登録されると、最長で契約終了後5年間も信用情報機関の登録は抹消されないので安易に延滞などするのは危険です。
また、契約終了後5年経過すれば、ブラック情報だけでなく、完済情報も抹消されるので、借入れしていた証跡自体なくなります。
融資可能なブラックと融資不可能なブラックがある!?
さて、ここまでの説明で、一旦ブラック情報が登録されると、かなりの長期間、登録は抹消されないことがわかりましたが、現在、ブラック状態の人も諦めるのはまだ早いと言えます。
ブラック情報には、「融資可能なブラック」と「融資不可能なブラック」があるからです。
もちろん一概には言えませんが、まとめると以下のようなイメージです。
≪融資可能なブラック≫
・「債務整理」
・「破産申立」
・「特定調停」
・「民事再生」
≪融資不可能なブラック≫
・「延滞」
・「元金延滞」
・「利息延滞」
・「延滞解消」
・「債権回収」
要するに、延滞関連以外のブラックは融資が受けられる可能性があるということです。
債務整理、自己破産、特定調停、民事再生などのブラックは、その手続きによって、過去の借入れを清算しているわけなので、昔よりも支払能力は高くなっていると判断出来るのです。
むしろ、既に複数の借入れがある多重債務者よりも、このような人に融資する方が、他社の借入れも増えにくく、消費者金融にとっては安全性が高い融資とすら言えるのです。
消費者金融の勘違いで否決になってしまうケース
このようにブラックの中にも融資可能なものもありますが、中には消費者金融の勘違いで否決にされてしまうケースもあるので注意して下さい。
具体的には、次のようなケースです。
(例)
①3カ月以上の延滞した後、自己破産の申立てをしたため、JICCには「破産申立」という参考情報と、「延滞」という異動情報が、並立して登録された。
↓
②自己破産後、免責確定に至った。
この時点で本来、消費者金融は、JICCに完済情報を報告しなければならないが、裁判所から連絡や通知が届くわけではないので消費者金融は免責確定していることを知らないまま、完済情報をJICCに報告していなかった。
↓
③完済情報が報告されないまま、申立てから5年が経過すると、「破産申立」という参考情報は抹消されるが、「延滞」という異動情報は登録されたままになり、一見、単なる長期延滞をしている状態の登録内容となる。
※注意
2019年10月1日以降の契約分に関しては、「破産申立」の参考情報は、契約終了後5年以内の間登録されることになっていますが、2019年9月30日以前の契約は、発生日から5年を超えない期間で情報は抹消されます。
おわかりでしょうか、前述したように、現在、多くの中小消費者金融では、自己破産をして免責確定している人は融資対象としていますが、長期延滞中の人に融資をすることは、まず、ありません。
このため、自己破産をして免責が確定しているので、本来、融資対象になるべき人が、単なる長期延滞者と勘違いされて否決になってしまうということがあるのです。
このようなケースは、決して特殊なことではなく、実務上かなり多くあることです。
ベテランの消費者金融従業員であれば、例えそのような状況でも、違和感を覚えて、審査を続行させることは可能ですが、多忙な時期だったりすると、そこまで注視できなくなることもあり、否決となってしまう可能性が高くなってしまうのです。
信用情報を開示して整理する
このようにJICCへの完済情報の更新が正しく出来ていない消費者金融は、実はかなり多く、本来、融資対象だったのに長期延滞と勘違いして否決になってしまっている方も大勢います。
このようなケースを防止するには、勘違いされないように自分でなんとかするしかありません。
自己破産や債務整理をしたことを、審査時に自ら申告しておくことも重要ですが、おすすめなのは、自分自身の信用情報がどのようになっているのかを、指定信用情報機関に開示して確認しておくことです、
特に、過去に自己破産や債務整理をしたことがある方は、これは絶対にしておくべきです。
もしそこで間違った情報が掲載されていたら、JICCを通して、訂正をしてもらうことも出来ます。
あえて言い切りますが、
「勘違いされやすい信用情報を整理して、勘違いされにくい信用情報に変更するのは、申込者の役割です!」
自分自身の信用情報の管理をするのは、結局のところ自分自身しかありません。
現在、JICCでは、
・スマホ
・郵送
・窓口
で開示の申込を受付けています。
詳しくはJICCの公式ホームページで確認してください。