キャッシング利用者の年収はいくらくらいなの?
消費者金融でキャッシングをする人の年収は、いくらくらいになっているかご存知でしょうか?
この辺りのデーターは、複数の大手消費者金融が公表しています。
また、大手と中小の利用者の年収分布を比較すると意外な事実も見えてきました。
大手消費者金融利用者の年収額
大手消費者金融アコムの2020年3月度報告では、新規顧客の年収比率は次のようになっています。
- 年収200万円以下・・24.5%
- 年収200万円超500万円以下・・65.2%
- 年収500万円超700万円以下・・6.9%
- 年収700万円超1,000万円以下・・2.6%
- 年収1,000万円超・・0.8%
※2020年3月度データ
このデーターからも大手消費者金融でキャッシングをする人は、年収500万円以下で全体の89.7%を占めており、あきらかに高収入の人のキャッシングは少ないことがわかります。
また、年収200万円以下の利用者が全体の24.5%もいることがわかります。
ちなみに約10年前の2009年12月度の年収比率は以下の通りでした。
- 年収200万円以下・・22.6%
- 年収200万円超500万円以下・・63.1%
- 年収500万円超700万円以下・・9.1%
- 年収700万円超1,000万円以下・・4.1%
- 年収1,000万円超・・1.1%
※2009年12月度データ
10年前のデータと比較しても、高収入の人の利用は減ってきており、徐々に年収200万円以下の低所得者の利用が増えてきたことがわかります。
このような年収分布は他の大手消費者金融や銀行でもおおむね同様です。
以上のようなデーターからも、少し言葉は悪いのですが、「消費者金融は低所得者向けのサービス」と言われても仕方がないかもしれません。
中小消費者金融利用者の年収は?
では、中小消費者金融ではどうでしょうか。
「大手消費者金融ですら、年収200万円以下の利用者の割合が高いのだから、中小消費者金融なら、もっと割合が高くなるはず。」
と思う人が多いと思います。
しかし、実際は、真逆の結果になっています。
すなわち、中小消費者金融利用者の年収分布は大手消費者金融利用者よりも高い年収の方が多いということです。
中小消費者金融では正式なデーターを公表していないので、これは筆者の経験に基づくことですが、中小消費者金融では年収200万円以下の利用者はほとんどいませんでした。
理由としては、中小消費者金融の客層は、既に大手消費者金融で複数の借入れがある方がほとんどなので、年収200万円以下の方は、総量規制に抵触する可能性も高いということがあげられます。
残念ながら、中小消費者金融では、年収が200万円以下であった場合、なかなか融資を受けることは難しいというのが現実です。
中小消費者金融では高収入の多重債務者が多い
意外になことに、中小消費者金融利用者でわりと多いのは、「公務員や大会社で長年勤務している属性のよい方」です。
このような方は、中小消費者金融に申込みをする前に、銀行カードローン、ショッピングローン、大手消費者金融などで、既にかなりの負債を抱えていることがほとんどですが、属性がよいので中小消費者金融の審査も通ってしまうのです。
もちろん、このような傾向は、あまり健全ではありません。
いくら属性がよくても、このような方は、結局、かなりの多重債務者となってしまう可能性が高いからです。
しかし、近年、銀行カードローンの過剰融資が問題視されてからは、各銀行カードローンは、貸付けに対して自粛傾向にあるので、今後は高収入の方の多重債務も減少してくると予想されます。