自己破産した方が消費者金融に申込みをする前にやっておくべき、たったひとつのこと
最近の中小消費者金融は、過去に自己破産や債務整理をした方も審査対象としていますが、実際の審査では、同じように自己破産をしていて、他の条件も大して違いがないのに、審査に通る方と、通らない方とが、どうしてもでてきてしまいます。
どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
実は、過去に自己破産や債務整理をした方が、申込みをする際には、やっておくべき「ひと手間」があります。
残念ながら審査に通らなかった方は、この「ひと手間」をかけず、そのまま申込みをしてしまった方が大半ではないでしょうか。
あえて断定的な表現をしますが、この「ひと手間」をかけることで、審査に通る確率は、確実にUPします。
ではその「ひと手間」とはどういうものなのでしょうか。
ここでは消費者金融での勤務経験がある筆者が、具体例をあげて詳しく解説していきます。
これから申込みを検討している方(特に、過去に自己破産や債務整理をした方)は必見です!
自己破産や債務整理に関する先入観を取り払え!
審査が通りやすくなる「ひと手間」の説明をする前に、まずは、改めて、皆さんの先入観を取り払っておきたいと思います。
突然ですが、皆さんは、過去に自己破産や債務整理をしたということを、できれば審査でバレたくないネガティブな情報として、捉えていないでしょうか。
実は、中小消費者金融の審査においては、過去に自己破産や債務整理をしていたということは、全くネガティブな情報ではありません。
否、むしろ、そのような人の方が、かえって審査に通りやすいと言っても過言ではないのです。
考えてもみてください。
既に、複数社からの借金があって、これから「自己破産」や「債務整理」へ向かおうとしている方と、既に自己破産や債務整理をして、過去の借金を清算した方とでは、どちらにお金貸した方が、リスクが少ないのかを。
答えは、後者であることは明確です。
そのため、昨今の中小消費者金融の審査においては、過去に自己破産や債務整理をしたことを隠すのではなく、むしろ積極的に「アピール」してゆくべきなのです。
とはいえ、多くの債権者に迷惑をかけたことは事実なので、あまり、自慢げに堂々とアピールするのも憚られます。
申込みフォームの「備考欄」に、サラッと、自己破産や債務整理をした事実を、入力しておくぐらいがベストです。
いずれにしても、イマドキは、自己破産や債務整理をした事実は、全くネガティブな情報ではないということは覚えておいてください。
審査が通りやすくなる「ひと手間」とは
では、いよいよ、審査が通りやすくなる「ひと手間」について、お伝えしていきます。
それは、ズバリ、「自分の信用情報を開示して、チェックしておく」ということです。
もちろん、チェックしたうえで誤った情報が登録されていれば、それを訂正しておくことも必要です。
「ナーンダ、そんなことか、そんなことぐらいは知っているやい!」
と思われた方もいるかもしれませんが、まあまあ待ってください。
私が審査担当をしていた頃の肌感覚で言えば、きちんと、自分の信用情報をチェックして申込みをしてきている方は、全体の10%もいませんでした。
時代が変わった現在も、そこまでしてから申込みをする方は少数派なのが現実でしょう。
どうして、わざわざそこまですることをすすめるかと言えば、過去に自己破産や債務整理をした方は、信用情報が適切に更新されていない可能性が、かなり高いからです。
具体例をあげましょう。
- 自己破産の申立てをすると、指定信用情報機関の㈱日本信用情報機構(通称:JICC)には、「破産申立」という参考情報が登録される。
- 3か月以上、未入金であった場合は、「延滞」という異動情報も並立して登録される。
- 自己破産が免責に至れば、本来、消費者金融は、信用情報に完済報告を登録しなければならないが、免責したという通知は、裁判所から、わざわざ債権者に届かないので、免責に至ったことに気が付かないまま、登録が放置される。
- 完済報告がされないまま、登録から5年経過すれば、「破産申立」という参考情報は抹消されるが、「延滞」の異動情報は残ったままとなる。
そのため、本来は、破産免責済の内容が、一見、ただの長期延滞という登録になってしまうことになる。
※注意
2019年10月1日以降の契約分に関しては、「破産申立」の参考情報は、契約終了後5年以内の間登録されることになったので、このような誤解は発生しにくくなりましたが、それより前の契約は、発生日から5年を超えない期間で「破産申立」の参考情報は抹消されるので、いまだにこのような誤解が発生する可能性があります。
(参考記事:JICCのブラック情報を徹底解説)
また、この他にも、自己破産や債務整理などの特殊処理をした場合は、適切に信用情報の登録がなされていないことはかなりあります。
このような「誤解」によって、否決となってしまうケースは、実はかなり多いので注意が必要です。
信用情報を開示した結果、登録間違いが発覚すれば、直接その金融機関に連絡をして訂正を求めることもできますし、指定信用情報機関を経由して、訂正依頼をかけることも可能です。
信用情報のセルフチェックは住宅ローン審査では当たり前
このような誤解による否決を防ぐには、現状、自分の信用情報を自分自身でチェックし、管理(セルフチェック)する他ありません。
実は、信用情報のセルフチェックは、住宅ローンを銀行等に申込みをする場合などは、銀行の担当者にすすめられて、多くの人が行っています。
しかし、残念ながら、消費者金融の利用者で、そこまでチェックする人はあまりいません。
もちろん消費者金融でも、気の利いた審査担当者であれば、信用情報が適切に更新されていなくても、誤解することなく審査をしてくれますが、忙しかったりすると、見落とされてしまうこともあります。
繰り返しますが、この「ひと手間」をかけなかったことで、審査に落ちてしまっている方は、意外に多いので、ご注意ください。